芸術の秋と過去の栄光。
その昔、何かの作文コンテストか何かで、優秀賞をとり、その作文が新聞に掲載されたことがある。
多分、小学校低〜中学年ぐらいのトキだと思うけど。
で、その新聞と原稿が、出てきたので、読み返してみた。
すると、何故、あれが優秀賞をとれたのか、と疑問が沸きあがってきた。
というのも、
暗闇の中にいるカラス=木を隠すなら森
という内容の記述があるのだけれど、それに対して先生は、
それは違うね
と、全否定のコメントをしている。
あまりにナイスなタイミングのボケとツッコミ具合だったので、思わず、ぶはっと噴き出した。
ハッキリ言って、ギャグだった。
その作文の前後は割愛させていただくとしても、確かに、「暗闇の中にいるカラス=木を隠すなら森」という流れは正しくないと思われる。
そのうえ、なぜ、そこに至ったのかすら不明な作文なのである。
的外れなことを書き、それは違うと指摘された作文が、なぜ優秀賞だったのか、とても疑問なのだ。
大きくなった今、その作文を読んでも、さっぱり意味がわからない。
新聞にでかでかと掲載された意味不明な作文。
あれはきっと、間違えて掲載されたに違いない。
それから、こちらも小学校低〜中学年頃の話だが、写生大会で、銅賞に入賞したことがあった。
動物園で、事前に決めた動物を描くというもので、全校あげての年間イベントのうちのひとつだった。
当初、あたしは、ワニを描きたかった。
なので、描く動物として、ワニを申請していたが、動物園に行ったら、飼育係のおじさんに、
「今日は寝ていて出てこないよ」
と言われた。
ものすごぉ〜くガッカリした。
でも、出てきてくれないなら仕方ない。
他の動物に変更して描くしかないので、先生とどの動物に相談するかを決めた。
そこで決めたのはシマリス。
シマリスの場所へ行くと、お目当てのシマリスがいない。
木の穴を探したり、オリの周りをぐるりと回ってみても、シマリスのいる気配はない。
またしても飼育係のおじさんに聞くハメに。
そしてまた
「今日は出てこないねぇ」
と言われたのだ。
幼心(?)に、めちゃめちゃショックだった。
そして、最終的に描いたのが、ツル科の鳥。
あまりに適当に選んだので、名前すら覚えていない鳥。
多分、シマリスのオリに背を向けたところにあったんじゃないかなぁ…。
ただ、アタマに冠みたいなのをつけていて、白っぽかった。
あたしは、描きたいと思った動物にバックレられて、傷心。
先生は、見回りに来るたびに気づかってくれてたが、もはや、スケッチ大会などど〜でもよくなっていた。
そして、描くのがだんだんめんどくさくなり、そのツル科の鳥を3羽描いたところで、それ以上描くのに飽きてしまった。
とは言え、絵は完成させなくてはならない。
でも、背景を描くのはやっぱりメンドクサイ。
そこであたしのとった行動。
テキトーに作ったピンク色の絵の具で画用紙の隙間をぜ〜〜〜んぶ塗りつぶしてやったのだ。
むしろ、どれだけキレイなピンク色を作れるかの方が大事だった。
お友達には、そんな色じゃないよ、と言われたが、別に背景を描くつもりなどないので、おかまいなし。
とりあえず、画用紙が埋まればそれで良かった。
数ヵ月後。
体育館には、銅賞の札がついたあたしの絵が貼り出されていた。
あたしはポカ〜ンと口を開けたことを覚えている。
そして、絵を描いて賞を貰ったのは、後にも先にも、それ一回きり。。。
芸術って、ワカラナイ………。